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しゃベル ✕ ワンブランド わん!ダフルストーリー Vol.6
犬のチカラってすごい!
80歳女性に生きる気力を与えた保護犬バロン

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 犬を飼いたい人と新しい家族を探す保護犬とを繋ぐ保護犬マッチングサイト「HOGO犬 ONE マッチング」。今回は、このサイトでの出会いをきっかけに生きる気力を取り戻した80代の女性・千葉京子さんと愛犬バロンのストーリーをお届けします。

「食事をするのも面倒」。生きる気力を失った一人暮らしの日々

仙台市に住む千葉京子さんは80歳。夫に先立たれて以来、ヨークシャーテリアのポッポちゃんと仲良く暮らしてきました。毎日一緒に散歩に出かけ、ご近所さんとおしゃべり。栄養たっぷりの食事も手作りして、ポッポちゃんが喜んで食べるのを見るのが千葉さんの何よりの楽しみでした。

ところが15歳を迎えて間もなく、ポッポちゃんは老衰のために天国に旅立ってしまったのです。一人残された千葉さんはすっかり落ち込み、その生活ぶりも一変。家に閉じこもりがちになり、自身の食事ですら「面倒だから…」と食べたり食べなかったり。生活全体がすっかりおざなりになってしまいました。

「このままではお母さんが弱ってしまう…」危機感を募らせたのは、千葉さんの子どもたちです。都内に住む息子の正弘さんは、仙台に住む妹さんから「ポッポの代わりに母を元気づけてくれる犬を探してほしい」と頼まれ、さっそくポッポと同じヨークシャーテリアを探し始めました。仕事の合間にペットショップのサイトを閲覧したり、動物愛護センターに問い合わせたり、休日には都内のペットショップを覗いたり…。なかなか「これだ!」と思う犬に出会えず、こまっていたある日、友人から「こんなのがあるよ」と紹介されたのが、保護犬マッチングサイト「HOGO 犬ONE マッチング」でした。

「早速サイトを検索してみると、亡きポッポとよく似たヨークシャーテリアの写真が目に飛び込んできました。バロンという名前の生後7か月の子犬です。これならきっと母も気に入るはず、と直感。すぐに妹さんに連絡して、母にサイトの写真を見せるよう頼みました」。

一人暮らしの80歳。でも「もう1度、犬と暮らしたい!」

正弘さんの予想通り、京子さんは「若い頃のポッポちゃんにそっくり!」とバロンに一目ぼれ。久しぶりに明るい笑顔を見せた京子さんをみて、正弘さんはぜひバロンを京子さんのもとに引き取りたいと考えました。

バロン

バロン

しかし、それには大きなハードルが。多くの保護団体がそうであるように、バロンを保護している団体も、譲渡にあたって住宅環境や家族構成、飼い主の属性などに条件を設け、しっかり犬を育てる環境が整っているかどうか確認するルールを設けているのです。

「なにより母が80歳という高齢で、しかも一人暮らしをしていることが問題でした。バロンがこの先15年間生きるとしたら、母は95歳になりますから、客観的に見たら無理があるかもしれない。でも『また犬と暮らせるかもしれない』という母の期待にも応えてあげたい。悩んでいても仕方ないので、まずは保護団体の方にこちらの事情を率直に伝えて、相談してみることにしました」。

そこで正弘さんは保護団体に譲渡希望のメールを出し、「母は80歳で高齢であるが、犬の飼育経験が豊富であること。娘夫婦が近くに住んでいて、毎週末、母の家を訪ねていること」を書き添えました。

「数日後、団体の代表の方から連絡があったのですが、やはり問題は母の年齢。いざというときに責任をもって世話ができるかどうか考えてほしいと言われました」。しかし、正弘さんは諦めきれません。「どうしても、もう一度母に笑顔で暮らしてほしいと思った」という正弘さんは妹さん夫婦と話し合い、その日のうちに再度団体にメールを送りました。

「母は愛犬を亡くしてペットロスになっていましたが、今回、バロンを新しい家族として迎えることができるかもしれないと知って、やっと前向きな気持ちになっています。妹夫婦は近々母と同居する予定なので、いざというときにバロンが困ることはありません」と書き、家族が一丸となってバロンを大切に飼うことを約束したのです。

80歳と子犬の楽しい毎日がスタート!

すると事態は急展開!正弘さんらの熱意が伝わり、団体から「お母様だけでなく家族皆さんでお世話をしていただけるのであれば、お譲りします」との連絡が。仙台から団体のある埼玉まで駆けつけた妹さん夫婦とバロンとのお見合いも成功、もろもろの手続きを経て、いよいよ千葉さんのもとにバロンがやってくることになりました。

千葉さんとバロン

千葉さんとバロン

埼玉から千葉さんの住む仙台まで車で数時間。道中、バロンは初めて見る風景が珍しいのか、車の窓から外の景色を飽きることなく眺めていました。待ちかねていた千葉さんの家に到着したのは夜の9時。さすがに疲れていたのでしょう、千葉さんとの対面を果たしたバロンは居間のソファに座ったまま安心しきった表情で寝入ってしまいました。その寝顔を見ながら「かわいいね、かわいいね」とほほ笑む千葉さんの姿に、妹さん夫婦はほっと胸をなでおろしたのでした。

さぁ、その翌朝から、京子さんは大忙し。バロンの歓迎パーティを企画したり、トイレのしつけを始めたり…と、数日前とは別人のように生き生きと動き始めました。正弘さんが「バロンの様子はどう?」と電話を入れてみると「バロンはおどなしいど思ってだら、とっても元気なんだ。家中を走り回って探検しでるよ(宮城弁)」と、京子さんの弾む声が聞えてきました。

本当に犬のチカラってすごいですね。あんなに落ち込んでいた母が、今やもうすっかり元気はつらつです。散歩に出るようになって近所の人と話をする機会も増えたようで、安心しました。なにより、『バロンのために元気でおらねば』という生きる気力が蘇ってきたのが、本当に嬉しいですね。80歳の母と7カ月のバロンは名コンビ。母とバロンが1日でも長く安心して幸せに暮らせるように、僕たちもしっかりサポートしていきたいと思っています」。

■しゃベル ニッポン放送

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