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しゃベル ✕ ワンブランド わん!ダフルストーリー Vol.5
亡き愛犬にまた会えた!
ペットロスを乗り越えたからわかる、愛犬との「絆」とは?

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犬を飼う人の多くが経験する愛犬の死。悲しみのあまり死を受け入れられず、ペットロスに陥る人も多いものです。
今回は不思議な経験を通じてペットロスを乗り越えた山田純子さんの物語をご紹介します。

愛犬ミルクの早すぎる死、そしてペットロスの日々

ココア(左)とミルク(右)

ココア(左)とミルク(右)

神奈川県在住の山田さんは大のヨークシャーテリア好き。当時中学生だった娘さんを喜ばせようと、ヨークシャーテリアのココア(♂)を飼い始めました。そしてその数か月後には、同じくヨークシャーテリアのミルク(♀)も家に迎えることになりました。「当時はまだ会社勤めをしていたので昼間にココアを一人で留守番させておくのが可愛そうで…。遊び相手を探していたときに出会ったのがミルクでした。それまで多頭飼い(2頭以上の犬を飼うこと)はしたことがありませんでしたが、大きな利発そうな瞳のミルクに一目ぼれ。迷わず家に迎えることを決めました」。

ナイーブでシャイな性格のココアと活発で社交的な性格のミルクは相性が抜群!本当の兄妹のように仲良く、どこに行くのも一緒でした。可愛らしい2頭が加わったことで山田さん一家には会話が増え、家の中の雰囲気も以前に増して明るくなりました。

ところが8年目の初冬、そんな幸せな生活に突然の終止符が…。ミルクが体調を壊し、異変に気付いてからわずか3週間後、天国に旅立ってしまったのです。「ミルクが亡くなった11月28日は、ミルクを可愛がっていた義母の誕生日でした。誕生日パーティが終わったその夜に、それを見届けるかのようにミルクは旅立っていったのです。きっとミルクは自分のせいでお祝いの席が台無しにならないように気を遣ってくれたんでしょうね。本当に賢くて人の気持ちがわかるコでしたから…」。

散歩でよく行っていた茅ヶ崎の海でココアとミルク

散歩でよく行っていた茅ヶ崎の海でココアとミルク

ミルクの死後、火の消えたように静かになった山田家。特にココアの落ち込み様はひどく、寂しそうな表情を見せるようになりました。「人間も連れ合いを亡くした男性は老け込むといいますが、ココアもまさにそうでした。急に年を取ってしまったようなココアを見ていると、ココアまでミルクのように若くして亡くなってしまうのではないか…という不安に駆られ、いてもたってもいられなくなりました」。

「私は何をやっているんだろう?」目を覚まさせてくれたミルクの気配

「なんとかココアを元気づけなくては」。そんな山田さんが選んだのは、再び新しい家族を迎えること。ミルクを育ててくれたブリーダーさんに相談し、神戸までヨークシャーテリアの子犬に会いに出かけました。紹介された子犬は2頭(ともに♀)。いずれもショードックとして育てられたものの、体が小さすぎるということでショードックとしての道が断たれ、飼い主を捜している犬でした。迷った挙句、山田さんは2頭とも引き取るという思い切った行動に出ます。「どちらか1頭を引き取ると、どちらか1頭が残ってしまいますよね。残った1頭がもし不幸な目にあってしまったら私は一生後悔してしまいます。だから2頭とも飼うことにしたのです」。

こうして、それぞれラテとシナモンと名付けられた2頭の子犬とココアとの新生活が始まりました。「これでココアも元気を取り戻して若返るはず…」と期待した山田さんでしたが、事態は予想外の方向に…。元気いっぱいの若い2頭に圧倒されて、ココアが委縮してしまい、ますます元気をなくしてしまったのです。ココアの憔悴ぶりにすっかり動揺してしまった山田さんは悩んだ挙句、1カ月後、ラテを神戸のブリーダーの元に戻すことを決意しました。「今思い返すと、本当に勝手な話ですが、シナモンとココアは相性がよさそうだったので、2頭だけなら仲良くやってくれると思ってしまったんです」。

そして、いよいよラテを神戸に戻そうと乗り込んだ東海道新幹線の中で、山田さんは不思議な経験をします。「ケージの中でおとなしくしているラテをみていると、なぜかミルクの気配をすぐそばに感じたのです。ミルクにあの大きな目でじっと見つめられているような感覚です。その瞬間わっと涙があふれてきてしまいました。『ああ、私は何をしているんだろう、なんて自分勝手なことをしようとしているんだろう』と我に返りました」。

山田さんはラテを自宅に連れ帰り、改めてココアとシナモン、ラテの3頭と一緒に暮らし始めました。「ココアが元気をなくしていたのは、ミルクを亡くした私の悲しみが伝わってしまっていた部分もあったみたいです。私が気持ちを入れ替えて3頭と向き合い始めたら、不思議なことに3頭の関係が良好になり、ココアもすっかり元気になりました」。

ミルクが教えてくれた、本物の「絆」

その後、山田さんは別のブリーダーからも2頭のヨークシャーテリア、シフォンとモカを引き取り、現在は計5頭のヨークシャーテリアとともに暮らしています。

「最後に我が家にやってきたモカは体が小さくてミルクによく似ています。口に出すと笑われちゃいそうですが、ミルクが時々、モカや他の犬たちの身体を借りて私に会いに来てくれているような気もするんですよ。ミルクは姿こそ見えなくなってしまったけれど、きっと私たちを見守ってくれているんだと思うんです。犬と飼い主との絆は、どちらかが先に死んでしまっても決して切れないほど固い絆なんだってことを、ミルクから教わりました。だからもう、寂しくはありません」。

左うしろからココア、シフォン、ラテ、シナモン、モカ

左うしろからココア、シフォン、ラテ、シナモン、モカ

5頭の犬に囲まれて、いつも賑やかな山田家。山田さんも犬たちのお散歩や体調管理に大忙しです。

「よく、大変ねって言われるんですが、そんなことはありません。むしろ、犬たちに感謝しているくらいです。毎日普通に生活しているだけで楽しいですし、『犬たちのために頑張らなくちゃ』って思うと気持ちが前向きになって体も健康になりました。よく考えてみると、ココア以外の犬たちはミルクの死をきっかけに我が家にやってきた犬たちです。ミルクは私が寂しがらないように、新しい犬たちとの出会いを作ってくれたんでしょうね。これからもみんなのために1日でも長く元気でいたいと思っています」。

 

■しゃベル ニッポン放送

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