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住005 : 熱中症に気をつけて【屋外編】

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前編の【屋内編】に続きまして、今回は【屋外編】。屋外飼育で気をつけたいことを紹介します。

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キャンプの時にタープを張るように、犬小屋の横や上にすだれでカバーすると、広範囲に日陰ができる。ベランダやウッドデッキで使ってもよい。ただし軽くて風で飛ばされやすいので、ヒモで縛って数カ所固定を。

庭や玄関先でつないで屋外飼育するなら 
外で飼育している場合は、「密閉空間ではないので大丈夫」と思いがちですが、それでも高温多湿な日本では熱中症になる犬は多いです。風がそよいでいれば体感温度も下がり、湿度も飛ぶでしょうが、無風で、直射日光の下にさらされた環境では、人間でも倒れそうになります。犬は人間以上に熱中症になりやすい動物なのでさらに事態は深刻です。蒸し暑い日本では、日中の炎天下や西日のあたる場所を軽視してはいけません。想像以上に「犬はあっという間に熱中症になる」生き物。本気で取り組みましょう。
チェックポイントは、端的にいうと「日陰があるか(暑さをしのぐ)」、「風が通るか(湿度をしのぐ)」、「いつでも新鮮な水が飲める状態か(脱水症状をしのぐ)」。この3つを確保することが最低限のお約束です。逆を言えば、これらが確保できてない環境は、虐待にあたるといっても過言ではありません。  そのためには「行動範囲内に常にどこかに日陰がある」、「犬が自由に移動できる行動範囲が広い」、「なるべく風通しのいい場所に犬小屋を設置している」、「犬小屋じたいの風通しがいいことも大事」などという環境面と、「お水交換を1日に数回行っている」、「犬の異常事態にいち早く気がつく」などという飼い主のケア面の、両方が大事です。外につなぎっぱなしで、いつの間にか死んでいた、という悲しい事態は絶対に避けねばなりません。
【屋内編】で書きましたが、犬はハアハアと呼吸をして、唾液を蒸散させて熱気を外部にだし、気化熱により体温を下げようとします。暑いとそれだけ脱水症状に陥りやすくなり、ひいては熱中症発症につながります。きれいな飲み水(直射日光が当たってお湯のようになっている水はNG!)を、好きなときに好きなだけ摂取できるよう飼い主は毎日数回用意しましょう。

つなぎ方や日陰の作り方に工夫を juu005photo2
短い鎖でつながれていると、時間帯によっては日陰に入れないかもしれません。朝から夕方までのお日様のでている時間、犬のスペース内を太陽がどのように移動し、直射日光や日陰がどう変化していくかをチェックしましょう。太陽が移動する角度も日によって刻々と変わり、日陰の位置も変わります。「先月は日陰だったのに」と思っていても、今月はガンガンに西日が当たっているかもしれません。
また1〜2メートルの短い鎖で1か所に固定するつなぎ方では行動半径は限られてしまいます。ランニングチェーン式(少し高い位置に数メートルのワイヤーを張り、そこに鎖をつなぐ。移動範囲が広くなるし、からみにくい)にして、犬が木陰や風通しのいい場所に好きに移動できるようにするとベターです。

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タイルやコンクリート貼りの場所につながれているのも過酷な環境。照り返しがきついものです。土や芝生の地面の方がしのぎやすいのは想像に難くありません。犬は穴掘りが大好きで、叱られてしまうこともありますが、穴を掘ると冷たい土がでてきて、そこにおなかをつけて体を冷やす行動もします。穴掘りも大目に見てあげてください。juu005photo4
庭木やすだれなどを利用し、風通しのよい日陰を広範囲に作ってあげる工夫もしてみましょう。家庭菜園がてらゴーヤやキュウリなどのツル系の植物を犬小屋付近に植えて、天然の日よけをつくるのも素敵です。ただし中毒になる植物であるアサガオ(種)やアイビー(茎、果実)などは、犬のそばに植えないように。
ちなみに、冬場は、犬小屋の出入り口を南向きにしていると犬小屋の中にも日差しが入りやすく、暖かくてよいのですが、夏場に南向きや西向きにしていると日当たりが良すぎて暑くなります。また南向きにしていると、夏は南風が多いので台風や夕立の雨も吹き込みやすくなります。犬小屋の出入り口は、夏は北向き、冬は南向きのように、季節に応じて位置を変えてあげるとよいかもしれません。

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