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住004 : 熱中症に気をつけて【屋内編】

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「犬は熱中症になりやすい動物」。このことは最近多くの飼い主さんに認知されています。 それでも毎年、動物病院に駆け込む犬が後を絶たないそうです。動物の事件はほとんどニュースになりませんが、実際は、熱中症で命を落としたり、なんとか一命をとりとめた犬が、数多く存在しています。 「明日は我が身(わが犬の身)」と思って、対策を忘れないようにしましょう。

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ひんやりするアルミ製のボード。こうした市販のグッズを利用してみるのもよい。
まだ体が蒸し暑さに慣れていない初夏や梅雨時期に要注意。
南向きや西日のあたる窓辺は暑いので、ベッドの位置を移動しよう。
プラスチック製のバリケンは、犬自身の体温で内部が熱くなる可能性あり。網状のケージなら通風性がよい。
ボクサーのような短頭種は、熱中症になりやすい。

熱中症は病気ではなく事故。たいてい避けることができる 
犬の起源にはいろいろな説がありますが、ユーラシア大陸の森林地帯にすんでいたオオカミではないかというのが定説。そうだとすればイヌという動物は、元来雪深い風土には耐えられるけれど、蒸し蒸し・じめじめした日本の東北以南の温帯湿潤気候の夏は苦手だと考えられます。
ただ犬種によって暑さへの耐性には差があります。タイ・リッジバック・ドッグ(タイ原産)やスルーギ(モロッコ原産)など暑い国で誕生した犬ならば、ほかの犬種に比べれば暑さに強いかもしれません。しかし大多数の犬種は北半球で発達しています。サモエド(ロシア北部原産)や秋田犬(日本原産)、ニューファンドランド(カナダ原産)など豊かな毛にくるまれた犬は、見るからに暑がり。またフレンチ・ブルドッグ、ボクサーなどの短頭種も、マズルが短く熱交換が下手なので、暑さにはとても弱いです。
また年齢、持病の有無も関係してきます。子犬は体温調節がまだ未熟です。また老犬になると体力が落ちたり、免疫が下がったりして、自分で体温調節が上手くできなくなります。そして心臓などの循環器系や呼吸器系に病気があったりすると、ハアハアと荒い呼吸(パンティング)しやすくなることもあります。肥満の犬も熱中症になりやすいと言われています。
「去年までエアコンをつけなくても問題なかったから」と高をくくっていると、危険かもしれません。今年も同じ体力や活力が維持できているかはわからないので油断は禁物です。
熱中症は、病気というより、管理ミスによる事故。裏を返せば、自分の犬のことを日々よく観察し、正しく住環境の温度・湿度を管理し、こまめに水分補給を行えば、避けられる疾病といえます。

室内での敵は「湿度」。風通しや除湿を心がける
犬は人間のように、汗をだすことによって体温を下げることができません。ハアハアと呼吸をして、唾液を蒸散させて熱気を外部にだし、気化熱により体温を下げようとします。しかし湿度の高い環境だと、熱の排出がうまくいきません。人間以上に犬は高温多湿の環境に弱いのです。
しかし昨今の住宅は気密性が高いので、昔のすきま風が入るような家屋と違い、自然に風が抜けるということが少なくなっています。湿度や熱が室内に籠もりやすいわけです。そのうえ防犯上、窓を開けたまま外出するのも難しい世の中であります。でも密閉された空間で、風がゼロという室内環境を想像してみてください。当然危険なくらい暑いです。ヒトにとって耐え難いなら、犬はそれ以上に熱中症の危険が迫っています。夏場に日中窓を閉め切って留守番をさせるなら、日当たり具合にもよりますが、やはりエアコンの冷房か除湿機能で、湿度と室温を管理するのが無難でしょう。
ちなみに犬の熱中症は5月や梅雨時期など、思ったより早い時期に頻発しているそうです。まだ体が暑さに慣れていないので、よけい敏感に反応してしまうのかもしれません。
一方、冷房の効きすぎもよくありません。外気温との差が激しすぎるのも体に負担となります。いわゆる冷房病のような体調不良の原因になることもあります。
冷気は下に溜まるので、小型犬のように体高の低い犬はもちろん、犬は寝ているときは床近くで丸くなりますから大型犬でも冷えすぎになるかもしれません。そのためエアコンをつけたら、犬がある程度自由に室内を移動できるようフリーにしましょう。暑ければ冷たい床に寝そべったり、風の通る涼しい場所に移動し、寒すぎたらエアコンの風の当たらないような場所に犬自らが選択できる状況にするのが大切です。その日の外気温や湿度や体調などで、犬の快適温度は毎日変わるはずです。バリケンや狭いサークル内に閉じ込めたままだと、犬が自分で調節できません。
外の熱が内部に及ぼす影響を少しでも減らすために、南や西の窓には遮熱カーテンやよしずなどをつけるのもよいです。冷房に頼りすぎる時間を減らせますし、電気代の節約になります。
とはいえ日当たりのいい窓辺に犬のケージやサークルを設置するのは夏場はNG。季節に応じて、犬のスペースを移動させる必要があります。
最後にお願いがあります。犬のためにクーラーを24時間毎日フル稼働している家庭も多いと思いますが、コンセントやコードの劣化やトラッキング現象(コンセントとプラグの間に溜まったホコリと湿気で放電する現象)などによって火事になることもあるそうです。ニンゲンが不在のときに火事になったら、想像するだけで切ないです。コードやコンセント部分が熱を持っていないか、ホコリがたまっていないかなどのチェックを定期的に行い、安全に電化製品(扇風機を含む)を使用してください。

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