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3.32016
育006 : もっと気軽にトレーニング!(後編)
しつけ・トレーニングは、「愛犬への義務教育」。人間家族と犬のお互いがより幸せに、快適に日々楽しく生きていくためのコツを学ぶものです。
決して大型犬や警察犬だけではなく、小型犬、家庭犬でも、トレーニングは必ず必要。勉強なくして、いつのまにか優等生になることはないということは前編で紹介しました。 犬と暮らしていると、さまざまな事件が起きるものです。困ったら、ひとりで悩まず家庭犬のドッグ・トレーナーに相談してみるのが最良の手段。
でもどうやってそのトレーナーを探せばいいのでしょう?
前編で、トレーニングとは何か、なぜ必要か、という基本中の基本をお伝えしました。トレーニングの必要性がわかったところで、そうは言っても「ドッグ・トレーナーをどうやって頼めばいいかわからない」という人もいると思います。後編では、相性のいいトレーナーを選ぶコツについて紹介します。
よいトレーナーはどこにいる?
まずは、犬のことを熟知し、その個体にあったトレーニング方法を提示してくれる「犬のプロ」であることが最低限必要なので、ネットで検索したり、口コミを集めたりして、そのトレー ナーの経歴や経験、どんなトレーニングを今まで学び、実践してきた人なのか、普段どんな犬 種や問題行動の犬を扱うことが多いのか、などを調べてみましょう。直接電話して聞いてみてもよいと思います。メールで質問するより、電話か直接会ってお話しして、人柄を確認することも意外と重要です。
ドッグ・トレーナーは国家資格でもなんでもないので、誰でも自由に名乗ることができます から、中には技量が伴っていない人もいるようです。「咬む犬は扱えない」「大型犬はお断り」 などと言われることも実際にあります。悩みがあって勇気を出して(ある意味、恥を忍んで)相談しようとしているのにそんな断られ方をしたらよけいに凹みます。やはり事前の下調べは欠かせません。
飼い主とトレーナーの相性が重要
次に、犬とトレーナーの相性のみならず、最も重要と思われるのは、飼い主とトレーナーの相性です。トレーニングの方法には、誉めていいところを伸ばす陽性強化トレーニングや、厳しい指導をする矯正トレーニングなど方法論がいろいろあり、トレーナーによって方針が異なります。それぞれにメリット・デメリットがあるので甲乙はつけられませんが、とにかくその犬種やその個体の性格にあった方法を用いるのがよいと思われます。そしてその方法を飼い主自身がマスターする必要がありますから、飼い主が納得できないやり方では上達しないでしょう。 結局習うのは、犬ではなく飼い主。飼い主とトレーナー間のコミュニケーションがうまくいくか、飼い主がトレーナーの先生の指導を信じてついていけるかがポイントです。
東京都世田谷区を中心に家庭犬のしつけを行っている「Dog works ZERO」の西岡裕記さんに話しを伺いました。生徒さんはトイ・プードルやチワワ、ダックス、ポメラニアン、ジャック・ラッセル・テリアなど7~8割が小型犬で、残りの2~3割がボーダー・コリー、ラブラドール・レトリーバー、レオンベルガー、ミックスなどの中型犬・大型犬だそうです。 「飼い主さんからの要望を “そんなの無理だよ” と頭ごなしに反対せず、なるべく飼い主さんの意見を聞きながら、でも犬に必要ならば飼い主さんが納得できるように説明しながら(トレーニングのやり方などの)軌道修正を提案していくのがよいトレーナーだと思っています。結局は飼い主さんとの信頼関係なんです」
西岡さんはHPは開設しているものの宣伝はしていませんが、依頼の連絡は生徒さん、動物病院、トリマーなどからの口コミによる紹介がほとんどだと言います。トレーナーを探すときは、 近所の犬友達やホームドクターなどに「いいトレーナーさん知りませんか?」と聞いてみるの が最も手堅い方法かもしれません。
トレーニングを依頼するにあたり、正直金額も心配でしょう。トレーニング代はトレーナーのレベルと同様にこれまたピンキリで、定価のない世界。でも安ければいい、高ければいいということはなく、成果を感じられる、自分が納得できる金額であることが大切です。
「ゴルフや英会話などを習うのと同じで、ある程度基礎ができたあとも、間隔を空けてもいいから、復習することが大切なので続けてほしいというのはあります」と西岡さん。犬も年齢によって新たな問題行動が出現したり、悩みが変わってくることもあるので、継続できる良心的な適正価格の先生を選ぶことが理想です。