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育005 : もっと気軽にトレーニング!(前編)

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「訓練なんて可哀想」「ドッグ・トレーナーに頼むなんて警察犬のような犬だけでしょ?」「うちの犬はもう年だから」……そんなことはありません。 トレーナーにちょっとコツを教えてもらうことにより、困った行動や悪癖が意外とあっさり改善することも多いです。そこで前編では、トレー ニングとは何か、なぜ必要か、という基本中の基本をお伝えします。

トレーニングは、大好きな飼い主さんと共同作業する楽しいもの
近年、室内飼育する家庭が増え、犬が家族の一員として生活することが多くなったので、家庭犬のドッグ・トレーニングの大切さ・楽しさを知っている人はどんどん増えてきています。

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旅行や入院、万が一の震災時などにもきっと役に立つクレイト・トレーニング

しかしそれでもまだ「訓練やトレーニング=警察犬や盲導犬のような特別な犬のもの」と思っている人も少なくありません。

家庭犬でも、人間と暮らすルールを教えることが大切。最初から人間社会の常識や、飼い主の望むことを理解しているはずはありません。人間の赤ちゃんでも根気よくトイレトレーニングしないと「オシッコはトイレでするもの」とわからず、いつまでもオムツがとれません。
犬も同じです。「快適にお互いが生活できるための家庭のルール」「他人に迷惑をかけないために気をつけること」などを教えることが「愛犬への義務教育」。教育なくして、勝手によい子にはなりません。擬人化はいけないかもしれませんが、犬も子供も、親がちゃんと教育することが社会への責務であり、愛情の証しといえるでしょう。よい子になれば、一緒にドッグカフェや旅行に行ったり、お客様を気軽に家にお招きできたりして、結果的に犬と過ごす時間が増えて、もっといい関係になって、良いこと尽くしです。

家庭内ルールや社会的なルールを教えるだけでなく、犬が人間社会で楽に生きていくために、社会にある事柄に馴らして心のキャパシティーを広げていく「社会化トレーニング」や、もともと猟犬や牧羊犬の仕事の代わりとなる知的ゲームのような「オビディエンス・トレーニング」(服従訓練。呼んだら来る、スワレ、マテ、横について歩く、などの基本的なしつけを含む練習)やアジリティーなどのドッグ・スポーツの方法を学ぶこともトレーニングのひとつです。パピヨンやトイプードルなど、小型犬でもオビディエンスやアジリティーの競技会で活躍している犬も意外とたくさんいます。

飼い主が教え方のコツを学べば、いろいろ応用できる
犬の場合は日本語が通じないので、犬にわかる合図やタイミングで、飼い主のしてほしいこと、してほしくないことを伝える必要があります。

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引っ張り癖を改善のトレーニング

でも初めて犬を飼う場合は、やり方がわからず戸惑うことも多いでしょう。また、頑張っているのにどうも意思の疎通がうまくいかず、 問題が解決できずに困り切っている家庭もあります。「すぐ吠える」「咬む」「トイレの粗相が直らない」「留守番中に破壊行動や無駄吠えが多く、ご近所から苦情を言われた」……そういう生活は、飼い主もストレスがたまり、辛いものです。そして犬にとっても、飼い主の望む正解がよくわからぬまま、いつも不機嫌な飼い主を見るのはストレスのはず。もしかしたら少し努力すれば直る問題行動なのに、手を焼いて、諦めて、捨てられてしまう犬だっているかもしれません。そんなことは絶対に避けねばなりません。

そんなときこそドッグ・トレーナーの出番です。動物行動学に則した方法で、どうして犬がそ ういう行動をとるのか、どうやって教えていけばいいのか、原因と改善方法を示してくれます。 家庭犬のトレーニングは多くの場合、最近は厳しい矯正訓練ではなく、「誉めて伸ばす」陽性 強化トレーニングが主流。犬にとってトレーニングを習う時間は、辛い勉強や体罰の時間では なく、飼い主さんやトレーナーの先生と楽しく遊びながら学ぶゲームのような時間なのです。 トレーナーに依頼することは、そんなに敷居の高いことではありません。子供が幼稚園の先生に習ったりするような身近なものであるべきです。

「トレーニングなんて可哀想」は大きな誤解。飼い主やトレーナーの先生にかまってもらえるから、犬にとっては最高にハッピー。

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カフェではキャリーバッグに入って足元で静かに待てるとグッドマナー

さらに、ちょっとしたコツや合図をだすタイミングを飼い主が習うことにより、おもしろいように自分の意志が犬に伝わりやすくなるので、飼い主もハッピー。犬に指示をだすコツがわかれば、ほかの教えたいことにもいろいろ応用できます。 実は学ぶべきは、犬ではなく、むしろ飼い主。トレーニングは、警察犬や盲導犬など特別な犬のためだけのものではありません。一緒に暮らす人間と犬、みんなに必要な勉強ゲームなのです。

いくつになっても犬は学習できる
また「うちの犬はもう成犬だから手遅れ」と気後れすることもありません。むろん子犬の時よりはいろんな経験を積んでいるだけに、習慣化している悪癖を修正するのはちょっぴり時間がかかるかもしれませんが、犬は一生学ぶことができる動物です。8歳の時に初めてクレイト・トレーニングを練習したワイマラナーも、ちゃんと習得した例もあります。諦めているのは犬ではなく、飼い主の方。負けないで頑張りましょう。くじけそうになったら、トレーナーに相談です。犬を心底好きなトレーナーなら、一緒に悩みのトンネルの出口を探してくれます。

それでは、そんな相談に乗ってくれるトレーナーはどこにいるのでしょう。後編は、「相性のいいドッグ・トレーナーを選ぶコツ」について提案します。

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