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食004 : 知っておきたいドッグフードの添加物

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愛犬が毎日食べるドッグフード。愛犬の健康に欠かせないものだけに、皆さん、原材料表をチェックして、慎重に選んでいることでしょう。現在はドッグフードにも全原材料の表記が義務付けられているので、パッケージには原材料がズラリと記載されていますが、飼い主として気になるのはやはり「添加物」の存在ですよね!ある程度必要なのはわかっていても、「ホントに安全なの?」と心配になってしまいます。そこで今回はペット栄養コンサルタントの奈良なぎさ先生に、ドッグフードによく使われている添加物やその注意点について教えて頂きました。フード選びにぜひお役立て下さい。

そもそも添加物とは?
ひとくちに「添加物」といっても、その使用目的は様々。大きく分けると、以下の3つに分類できます。syoku004photo1
①栄養バランスを整えるための栄養添加物→ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類など
②フード品質保持のための添加物→酸化防止剤、保存料(防かび剤)など
③見栄えやペットの食欲増進のための添加物→増粘安定剤、着色料、湿潤調整剤、香料など

要注意!「制限のある添加物」とは?
しかも、同じ用途の添加物でも、すべてが化学的に合成された成分というわけではなく、 自然由来成分のものも多くあります。例えば、同じ酸化防止剤でも「エトキシキン」は化学合成成分ですが、ビタミンEやローズマリー抽出物などは自然由来成分です。このように添加物には種類が非常に多いので、飼い主の皆さんがそれらを全部覚えるのはとっても大変!そもそも現在一般的に市販されているドッグフードは、一定の安全基準を満たしているものがほとんどなので、過度に心配する必要はありません。とりあえず、「制限のある添加物」、つまり制限を超えれば健康被害が生じる可能性のある添加物だけを押さえておけば安心です。

ドッグフードに含まれる添加物のうち、「制限のある添加物」として覚えておきたいものは主に以下の4種類です。
(1)プロピレングリコール
保湿作用、制菌作用、カロリー源などの目的で使用されます。ドッグフードではセミモイスト商品やおやつなどに使用されていますが、猫はこの成分で赤血球に異常をきたすことが報告されているので、キャットフードには使用されていません。

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奈良なぎささん
ペットベッツ栄養相談主催
ペット栄養コンサルタント
「個体に応じたペットの医食同源食」を目指し、動物病院での栄養相談、院内セミナー、飼い主様セミナーなどを行う。

(2)エトキシキン
酸化防止剤の一種。日本、アメリカ、ヨーロッパでは使用添加物として認められています。人間用の化粧品などにも使用されていますが、その一方、発がん性も指摘されている成分です。

(3)亜硝酸ナトリウム
ペットフードでは主に缶詰やおやつ類の発色剤、保存料として使用されています。体内で化学変化し毒性が出ると考えられています。一部に発がん性を指摘する声も。

(4)セレン化合物
セレンは本来、体に必要な微量元素(=生命活動に不可欠な元素のうち、生物の体内に保持されている量が比較的少ない元素)で、欠乏すると食欲不振や心臓病などの症状が出ると言われています。一方、過剰摂取すると重度の健康障害、あるいは死にいたることもあるため、劇薬に指定されています。ただし、法令に該当しない範囲で亜セレンナトリウムとセレン酸ナトリウムの添加許容量が設定されており、その範囲内で使用されています。

添加物だけでなく、主原料にも目を向けて!
ただし、上に挙げた「制限のある添加物」が含まれているフードは全て危険、というわけでは決してありません。あまり神経質にならず、予備知識として添加物の危険性を知っておく程度で十分です。そもそも、ドライフードの場合、原材料表示に記載されている原材料のうち、冒頭から5番目くらいまでの原材料が全重量の80%以上を占め、6~10%は水分、残りの10%以下がその他の添加物等、という割合が一般的。全体に占める添加物の量はそれほど多くないのです。注目すべきはむしろ主原料である、80%の部分。添加物にばかり注目せず、この80%にどんなものが含まれているか、特に犬にとって最も大切な栄養素であるタンパク源は十分含まれているか、またその品質はどうかを必ずチェックするようにしてください。

 

 

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