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しゃベル ✕ ワンブランド わん!ダフルストーリー Vol.49
トレーニングの力ってすごい! 元保護犬・ビビリのシオンが笑顔を見せるまで

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高校時代、最初の保護犬を自宅に

宮下家にやってきた最初の保護犬カブト

宮下家にやってきた最初の保護犬カブト

長野県に住む宮下礼奈さん。両親ともに犬好きの家庭で育ち、今も愛犬3頭と一緒に暮らしています。宮下さんの最初の記憶にある犬は、お父さんが好きで2代続けて飼っていたバーニーズマウンテンドッグ。「2頭ともとても人懐っこい天真爛漫な性格の犬で、一緒に遊んでいるうちに私も自然に犬が大好きになりました」という礼奈さん。高校生になるころには「将来は動物専門学校に行って、動物に関係のある仕事に就きたい」と考えるようになったといいます。

そんなある日、インターネットを見ていた礼奈さんは、静岡県で野良犬の生んだ子犬10頭が保護されていることを知りました。もともと保護犬の殺処分問題に心をいためていたこともあり、とても見過ごせないと思った礼奈さん。家族に相談し、そのうちの1頭を自宅に引き取って育てることにしました。その犬が現在も宮下家で元気に暮らしているカブトです。シェパードとラブラドールのミックスとして生まれたカブトは体が大きく、体重も30kgを超えていましたが、とっても温和で手のかからない犬でした。「保護犬はシャイで最初は人に慣れないという話をよく聞いていたので、ちょっと心配していたのですが、カブトは本当に飼いやすくって、拍子抜けしてしまいました」。

たかが2頭、されど2

真っ白な毛並みが美しいエル

真っ白な毛並みが美しいエル

カブトがあまりに飼いやすい犬だったからか、数か月後、今度は礼奈さんのお母さんが同じくインターネットで里親を募集していたグレートピレニーズのエルを自宅に引き取りました。前の飼い主に「もう飼えない」と保健所に持ち込まれたエルは、当時がりがりにやせ細っていたそうです。

でも、幸いにもエルはおっとりマイペースな性格で、カブトと同じようにすぐに宮下家になじんでくれたそうです。「今ではエルも体重が35kgくらいまで増え、すっかり元気になりました。たった2頭ですが、困難な状況に置かれていた保護犬を我が家に引き取って、普通の暮らしをさせてあげられるようになったことが、とても嬉しいんです。たかが2頭、されど2頭。人間の勝手で不幸になる命を減らせて、本当によかったです」と礼奈さん。

その後、高校を卒業した礼奈さんは動物に関係する仕事に就きたいと願って群馬県内の動物専門学校に進学。卒業後は地元長野県に戻ってペットショップに勤務、今は動物病院でトリマーをしながら、プロのドッグトレーナーを目指して勉強中です。

往復6時間かけてトレーニングへ

ふさふさの毛がシオンのチャームポイント!

ふさふさの毛がシオンのチャームポイント!

そんな礼奈さんに、数年前、ある友人が「こんなコがいるんだけど…」とある保護犬の写真を見せてくれました。茶色と黒の毛が可愛らしいミックスで、当時は生後半年くらいでした。とても大人しくて可愛らしい犬なのですが、人に慣れないため、なかなか飼い主が見つからないとのこと。一目でその犬が気に入った礼奈さんは、「この子を育てれば、自分のトレーニングの練習にもなる」と思い、すぐに自宅に引き取って「シオン」と命名、トレーニングを開始することにしました。

しかし、いざ引き取ってみると、シオンは並外れて臆病な性格の犬であることが判明。「カブトやエルとは正反対で、シオンは人がとても苦手。私にはかろうじて心開いてくれましたが、同居する母に慣れるのには1年かかりました。父にはまだ警戒心を解いていないようです」と礼奈さん。当然、トレーニングも思ったようには進みませんでした。

「このままでは、シオンは一生人におびえ、びくびくしながら生きていかねばなりません。なんとかして人に慣れさせ、ストレスなく生活できるようにしてあげたいと強く願うようになりました」という礼奈さんは、一念発起。約2年前から専門学校時代の恩師の指導を受けるべく、車で片道3時間かけて群馬県までトレーニングに通うようになりました。

トレーニング中のシオン

トレーニング中のシオン

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礼奈さんとシオン

「もちろん最初はシオンが完全にビビってしまい、トレーニングも遅々として進みませんでした。でも先生が根気強くノーズワークやTタッチに取り組んでくれたおかげで、少しずつシオンが心を開き、トレーニングに取り組める状態になってきました。トレーニングってすごいなあと、改めて実感しています」と喜ぶ礼奈さん。最近のシオンは以前ほどにはビクビクしなくなり、周囲に関心を持つこともできるようになってきたそうです。「往復6時間はちょっと長いですが、先生のところに通って本当によかった。引き続き先生のところでも自宅でもトレーニングに励み、シオンが少しでも幸せな気持ちで生活できるようにしてあげたいと思っています」とのこと。

「そして将来は、自分自身のトレーニング技術を磨いて、シオンのように人に慣れていないために新たな飼い主が見つかりにくい犬たちのために、自分のトレーニングスキルを役立てたいと願っています」。

 

■しゃベル ニッポン放送

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