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しゃベル ✕ ワンブランド わん!ダフルストーリー Vol.2
思い出の中で生き続けるマルちゃん
~愛犬家と犬、そしてホテルの絆物語

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那須高原にある自然に囲まれた、ペットも一緒に泊まれるホテルで起きた、感動ストーリー。
2015年秋、支配人を務める森村晃一さんに、顔なじみの常連客・山崎さん(仮名)から1本の電話が。その思いがけない内容とは・・・?

みんなの人気者・マルちゃん

hotel「ホテル フォレストヒルズ那須」は自然に囲まれたコテージやドッグラン、愛犬と一緒に食事ができるレストランなどを備えた、愛犬家に人気のホテルです。
そのホテルの常連客、山崎さんご夫妻は、年に2〜3度は愛犬のマルちゃん(ダックスフント)と一緒にホテルを利用する初老のお客様。ご夫妻ともにフレンドリーな人柄で、森村さん以下ホテルスタッフの誰もが、ご夫妻とマルちゃんに会えるのを心待ちにしていたそうです。

滞在中、ご夫妻が特に楽しみにしていたのがホテル内レストランでのディナータイム。もちろんマルちゃんと一緒。愛おしそうに見つめながら、ご夫妻でゆっくりと料理やワインを楽しみ、その様子を森村さんもホテルスタッフも幸せな気持ちで眺めていました。

2015年の夏に滞在した際も、いつも通りゆっくりとホテルでの時間を楽しみ、帰り際には「今回も楽しかったよ、ありがとう」とスタッフにねぎらいの言葉をかけながら「次は秋の連休に来るからね」と予約を入れ、笑顔でホテルを後にしたご夫妻。

ところが、その連休が近づいたある日、山崎さんから思いがけない電話がかかってきたのです。「実は、つい最近、マルが急に亡くなってしまって…」。

テーブルに亡き愛犬の写真を飾って

驚きのあまり言葉を失った森村さんに、山崎さんはこう続けました。「連休の予約はキャンセルしようと思ったんだけど、マルも大好きなホテルだったから、供養のつもりでもう1度泊りたいんだ。我々2人だけでも宿泊できるかな?」。

morimura「もちろんです。キャンセルなどなさらず、ぜひお越しください」と答えた森村さん。すぐにスタッフにマルちゃんの死を知らせ、万全の準備をしてその日を迎えました。

そして予約当日。ホテルに到着したご夫妻は、かつてマルちゃんと一緒に遊んだホテルの庭をゆっくりと散策、ディナーはいつも通りレストランへ。「ご夫妻のディナーの席に挨拶にうかがうと、テーブルの上にはマルちゃんの写真が…。奥様が『このホテルに来たら、マルと一緒にいるみたいな気がする。思い切って泊まりに来てよかったわ』と笑顔を見せてくださったので、ホッといたしました」と森村さん。

「帰り際にスタッフが『マルちゃんにお供えしてください』と花束をお渡しすると、ご夫妻とも涙を浮かべて喜んでくだって…。『また来るよ』とおっしゃってくださったのです」。

でも、その後、ご夫妻から届いた手紙には「とても楽しかったけれど、まだ次の犬を家族に迎える気持ちにはなれません」としたためられていました。

「マルちゃんに合格点をもらえるサービスを」

roomそして翌2016年のお正月。山崎さんご夫妻は、再び「マルとの思い出に浸りたいから」と2人だけで、ホテルに滞在。前回同様、マルちゃんとの思い出を辿りながら、ホテル内で静かに過ごしていたそうです。

しかしチェックアウトの際、森村さんは奥様からとても嬉しい言葉を聞きました。

「もう、犬は飼いたくないって思っていたけれど、ここで他のお客さんが愛犬と楽しそうに触れ合っていらっしゃるのを見て、考えが変わったわ。私たちも勇気を出して、もう一度、新しい犬を家族に迎えようと思うの」。

「ホテルマンは、お客様に直接、『また犬を飼ってください』と申し上げられる立場ではございません。でも、私どものホテルで過ごす時間をきっかけに、山崎様が犬と過ごすことの素晴らしさを再認識してくださったこと、そして前向きに人生を楽しむ意欲を取り戻して下さったことが本当に嬉しくて、思わず『ぜひ、そうなさってください!』と本音を口にしてしまいました」と森村さん。

その後、夫妻からは「今、子犬を探しているところ。相性のいい子がみつかって、無事、家に迎えることができたら、予約の電話をいれるわね」との連絡が。
「次の夏休みには、山崎様が新しい愛犬と一緒にホテルをご利用下さるのでは…と、スタッフ一同、今から楽しみにしています。姿かたちは見えなくなっても、マルちゃんもきっと一緒に来てくれるはず。マルちゃんは私たちの胸の中に、今も生き続けていますから…。マルちゃんに合格点をもらえるように、いつも通り最高のサービスでご夫妻と新しい愛犬をおもてなししようと思っています」。

 

■しゃベル ニッポン放送

 

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