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石巻タイトル
東日本大震災から1年半以上経過し、報道でも被災地の話題を見聞きすることが少なくなってきましたが、まだまだ被災地では支援を待っている人たちがたくさんいるはずと思い、Do One Good 7iro CARAVANの皆さんの支援活動に同行取材させていただきました。

Do One Goodが行なう被災地支援とは?

Do One Goodとは、東京・青山にある国連大学前で毎週末開催されているFarmer’s Marketで、犬の里親会・譲渡会をおこなっているプロジェクト。代表の高橋一聡さんは、健全で持続可能な未来のペットショップを作ることを目的に、犬と人との関係を考える様々な企画を実施しています。 東日本大震災発生後は、被災地支援プロジェクトとしてDo One Good 7iro CARAVANをスタートさせました。第1回の物資輸送は、動物保護活動を行っている2人の女性から「被災地の犬たちを救いたいが、私たちには車と運転手がいない」と代表の高橋さんが相談を受けたことから始まりました。
支援内容は、支援を受ける個々の人々のニーズに応じた物品を提供しています。Do One Good 7iro CARAVANが支援している仮設住宅で犬・猫と暮らしている飼い主さんと犬のリストがあり、個々の犬の状態や好み、トイレシーツを必要としているか等の詳細な情報が書き込まれている。商品を持参しているのは「ペットビジョン」を運営する株式会社ペットゴーの黒澤弘社長。ペットビジョンでは、<東日本大震災「ペットゴーたすけあいペットプロジェクト」>として、募金とポイント寄付を会員に呼びかけており、多くの会員さんが、何か役に立つのであればと募金やポイントを提供してくださっているそう。そこで集まった資金を元に支援物資を用意しています。
70世帯がペットと暮らす仮設住宅へ
深夜、東京各所からDo One Good 7iro CARAVANの被災地方訪問には欠かせないマイクロバスが置かれた埼玉県草加市にある倉庫へ集合。このマイクロバスは、高橋さんが被災地へ行くための足を探していたときに、友人が紹介してくれたスミレ梱包倉庫の諏佐佳洋社長のもの。息子さんが所属するラグビーチームの移動用に使っているもので、1回目の訪問以来、毎回数多くの物資と人々を乗せて被災地へ赴いています。

今回は26時半に8名の参加者が集まり、一路福島県を目指して出発。途中休憩・仮眠を取りながら翌朝9時半には、南相馬市鹿島区小池長沼にある仮設住宅に到着しました。 この仮設住宅には、約200世帯が入居しており、そのうち約70世帯がペット同伴で入居しています。これだけ多くのペットと被災した方々が一緒に暮らしている場所は他には無いだろうとのことです。
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到着すると、集会所に今回持ってきた物資の入った箱を全員で運び込みます。なんとそれぞれの箱に飼い主さんと犬の名前が書かれていて、内容は飼い主さんの希望されたもの! Do One Good 7iro CARAVANでは、支援を受ける個々の人々のニーズに応じた物品を提供していると聞いて本当に驚きました。今回はいつもより少なめとのことですが、それでも43世帯分ありました。 マイクロバスの到着と同時に、多くの飼い主さんたちが集まって来て、口々にDo One Good 7iro CARAVANのメンバーたちと挨拶や近況報告を行っています。これまで色んな支援の形を見てきましたが、このように顔見知りになるまで訪問を続けている例は本当に稀であり、28回の実績を感じました。
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物資を受け取った飼い主さんからは、エサやオヤツも買えるところが限られていて、とても助かっている。毎回、とても心待ちにしているという声が聞かれる一方、動物病院が近くにないので、ノミ・マダニ対策や爪切りをして欲しいという切実なリクエストも出されていました。 また、中・大型犬は、なかなか満足いくまで散歩させることができない飼い主さんが多いため、Do One Good 7iro CARAVANがやって来た時には、順々に犬たちを連れて散歩に出ます。 今回は取材のため同行させてもらったのですが、私も1頭の犬をお預かりし散歩させてもらいました。
東日本大震災を経験したモコくんと飼い主さん

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最初は飼い主さんのいる方向を振り返って不安げな表情だったものの、徐々にグイグイとリードを引っ張る力が強くなっていき、最終的にはこちらが汗だくになるまで走りこんだモコくん。散歩が終わってから飼い主さんにお話を伺いました。
前に飼っていた愛犬を亡くした時にセンターに登録して、その後譲渡されたのがモコくん。とっても優しい4歳になる雑種のオスです。 今でこそ飼い主さんと一緒に仮設住宅で暮らしていますが、ここまで来るには、大変なご苦労がありました。犬を連れて避難することはできない、直ぐに戻ってこられるからと言われ、一度は放して車に乗ったそうですが、その車の後をずっと付いて来たモコくん。その姿をみて飼い主さんは、絶対に一緒にいようと心を決めました。 ただ避難所は犬と一緒に入れなかったため、自家用車で寝泊りする日々が続きます。2011年8月末にこの仮設住宅への入居がされるまでの5ヶ月間は、ずっと車内での寝起きだったそうです。
今後の暮らしについて聞いてみると、やはり未だ何も決まっていないとのこと。警戒区域内にある自宅に置いてきたゴミの撤去も、2013年の8月まで行えないと言われているそうで、飼い主さんとモコ君が元の暮らしを取り戻せるのは、いつになるのだろう・・・と考えずにはいられませんでした。
この後、宮城県七ヶ浜町にある仮設住宅2ヵ所と、仮設住宅には入れず自宅に住んでいる被災者の方のお宅を回り、マイクロバスを倉庫に戻したのは、夜中の23時を過ぎていました。

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必要とされていることを、できる範囲で続けていく
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今回の取材で最も気になっていたのは、なぜ毎回決まった仮設住宅を中心に訪問しているのかということでした。高橋さんに経緯を聞いてみると、まとまった数のペットが密集して暮らしている場所だということと、ふんばろう東日本プロジェクトに参加した歌手のイズミカワソラさんが、動物の物資が無くて困っている人が南相馬の仮設住宅にいるという声を聞き、高橋さんに話したことがきっかけだったそうです。それ以降、イズミカワさんはDo One Good 7iro CARAVANではカメラマンとして活動に参加しています。
同じく活動の初期から参加しているALOALOの村松歩さんは「Do One Goodが目指す活動は現地に行って活動する人や団体と、それをバックアップする人や団体との関係は並列であり、その信頼関係があってはじめて、長期継続的な支援体制が成り立つ」と考えておられます。
他の仮設住宅にも犬がいると聞くけれど、継続的に活動できる人手や時間も限られているため、縁があった人たちを中心に支援していこうと決めているそうです。Do One Good 7iro CARAVANでは物資を届けることだけでなく、ドッグトレーナーやトリマーが参加できる回は、現地の犬たちに対するケアも行なったり、イラストレーターが参加にする回では、飼い主さんと犬の絵を描いて差し上げるなどの活動を幅広く展開しています。今回はドライバーとして、高橋さんの友人で保険会社勤務の方も参加しておられました。
大袈裟に物資を支援するということではなく、知り合いに会いに行くような支援こそ続けられるものだと思うよ、という高橋さんの言葉通り、支援する側とされる側という関係性ではなく、遠縁の親戚の家を回っているかのような取り組み方こそ、Do One Goodが考える未来のペットショップの在り方であり、ドネーション活動の在るべき姿だと感じました。
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Do One Good 7iro CARAVAN http://doonegood.jp/rescue/7irotrack/
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