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東日本大震災から8か月経過した11月、ONE BRAND取材班は岩手県の盛岡市を訪問した。東京では、少し寒くなる日が増えたなと思うくらいの時期だったが、盛岡市は、すでに雪がちらつくとても寒い日だった。 今回の取材では、岩手県環境生活部県民くらしの安全課食の安全安心課長:白岩利惠子さんと、岩手県で犬・猫の救出・救援活動を行なっている動物保護団体「動物いのちの会いわて」代表:下机都美子さんに、震災直後の様子と現状についてお話しを伺った。

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まず岩手県環境生活部県民くらしの安全課食の安全安心課長である白岩利恵子さんにお話を伺った。 震災直後の盛岡の街の様子は、電気もガスもとまり、外は真っ暗な世界。 幸いにも県庁は、自家発電設備があるため、発災当初から様々な対応に当たることができたが、未曽有の災害に対する不安がずっとあったそうだ。

人の生存・生活もままならない状態ではあったが、 岩手県は、(社)岩手県獣医師会、事前に災害協定を締結していた動物愛護団体と「岩手県災害時動物救護本部」を設置し、被災した動物達の救出・保護活動を開始。

岩手県は、平成20年に起こった「岩手県内陸地震」を教訓に、県(保健所)・(社)岩手獣医師会・動物愛護団体による「動物愛護推進協議会」を定期的に行ない、いざという時の備えをしっかりしていたそうだ。そのため今回の震災でも、それぞれの役割を明確にしていたため迅速な対応ができた。県(保健所)は、保護されている動物達の状況を管理・物資の調達や情報提供などを行ない、獣医師会は、被災した動物の治療・診察を無料で行い、動物保護団体は被災した動物の保護や引き取り・譲渡などを行なった。
震災直後の津波の影響がひどかった沿岸部では、動物はおろか生命というものがすべて津波に流されているという現実。しかし、「岩手県災害時動物救護本部」の努力により、震災から11日後の3月22日、1頭の犬ががれきの中から発見され、新聞のニュースに大きく取り上げられた。記事には、その犬は空腹と恐怖におびえていたが、持って行ったおにぎりを3個ペロリと食べたと書かれていた。その後、岩手県災害時動物救護本部では犬202頭・猫130頭が保護されている。

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被災した動物の保護を行なっている団体の一つである「動物いのちの会いわて」の代表、下机さんも震災直後、被害の大きかった陸前高田市を中心に餌の配達や保護活動を行なった。震災後、たくさんの犬・猫を保護したが、全国から一時預かりしたいという声が寄せられ1週間で63家族の登録があったそうだ。さらに餌の支援も倉庫が満杯になるくらいの量が届けられた。その時の全国の皆様からの想いは、日々の疲れを忘れるくらいうれしかったと下机さんは話していた。

その後は、まわりの協力・支援もあり、ONE BRAND取材班が訪問した時には、被災した犬は3頭になっていた。それ以外は、野良犬・飼い主の飼育放棄などによりこの団体に来たとのことで、現在は犬約20頭・猫約150頭が保護されている。

下机さんが団体を始められたのは、15年位前、近所の猫に餌をあげていたことがきっかけ。当時は一人で猫に餌をあげていたが、体調を崩し入院したことで、自分の想いだけでやっていくことに限界を感じ、ご友人とともに団体を作ることを決意された。設立後は、近くの病院の先生にもアドバイスをもらいながら、空き家を買い、犬・猫の保護・譲渡活動をしている。現在は、ボランティアスタッフ80~90名がおり、常時3~4名体制で犬・猫のケアをしている。施設の中をのぞかせていただいたが、冷暖房完備でとても広くてきれいだった。 取材時、ちょうど猫の餌の時間だったのだが、どの子も毛艶もよく、本当のところは猫に聞いてみないとわからないが、とても幸せそうな顔をしていた。

今回の取材でお二人の話しをきいていると、県職員と団体の代表を超えたお二人の絆の深さを色々なところで感じた。これはお二人だけでなく、「動物愛護推進協議会」の存在が大きいのだろう。白岩さんは「県も獣医師も動物保護団体もみんな手を取り合って協力しあっているのは、県民性かな(笑)」と笑っていらしたが、過去の経験を生かし、日頃から横のつながりをしっかり持つということは、もしもの時の備えとしては本当に必要なことだと痛感した。

現在も避難所や仮設住宅に動物と住む人達の問題や、仮設住宅がなくなってしまった後の問題など、震災による影響をたくさん抱えているが、下机さんは「県・保健所・獣医師会と協力し合いながら、新しい飼い主が見つかるまで、または飼い主が新しい場所で飼えるようになるまで、2年でも3年でも預かりますよ」と語っていた。

 

「動物いのちの会いわて」 http://www.inochinokai.com/

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