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医005 : 愛犬の生活習慣、見直してみませんか? その① 病気にならないための動物病院活用術

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近年、日本では家庭犬の寿命が延び、20年近く生きる犬も珍しくありません。しかし同時に肥満や糖尿病といった生活習慣病に悩む犬も増えています。愛犬の生活習慣病を防ぎ、一日も長く健康で楽しいペットライフを送るために、飼い主はどのような健康管理を心がければよいのでしょうか?
『成城こばやし動物病院』院長の小林元郎先生に聞きました!

愛犬が元気な時にも動物病院へ!
みなさんは、どんなときに愛犬を動物病院に連れて行きますか?

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成城こばやし動物病院 院長
小林元郎 先生(1959年生まれ)
■北里大学卒業
■成城こばやし動物病院:院長・獣医師
■公益社団法人 東京都獣医師会:副会長
■一般社団法人
 東京城南地域獣医療推進 協会:理事
■東日本大震災
 東京都動物救援本部:事務局長

おそらく「病気になったとき」「けがをしたとき」と答える方が多いのではないでしょうか。しかし愛犬の健康管理のためには、それだけでは決して万全とは言えません。愛犬が元気なときにも、ぜひ動物病院を受診してください。動物病院には愛犬の病気を治す役割だけでなく、病気を予防する役割もあることを、皆さんにぜひ認識していただきたいのです。
理想的なのは定期的に(目安は月に1度)、爪切りや耳、肛門腺のケアなどを兼ねて来院し、獣医師や病院スタッフとコミュニケーションをとりつつ、健康チェックを受けること。そうすることによって、獣医師やスタッフが皆さんの愛犬の「普段の様子」を知ることができるからです。普段の様子を知っていると、ちょっとした体調の変化や不調にいち早く気づくことができ、病気の予防につなげることができます。人間の医療と同様、動物医療においても、予防に勝る治療法はありません。病気の早期発見、早期治療のためにも、定期的な受診を心がけてください。

診察の精度を上げる、愛犬の「ライフログ」をつけよう!
i005photo2獣医の定期受診に加えてもう1つおすすめしたいのが、愛犬のライフログをつけることです。ライフログとは生活記録のことで、具体的には愛犬の食事や散歩、排便・排尿について、あるいは体重や見た目の変化、その日の出来事などを記録しておくもの。動物病院の受診時には必ずライフログを持参するようにしてください。これがあるだけで、動物病院での診察の精度がぐっと上がります。

というのも、「普段と様子が違う」と動物病院を受診されても、具体的に何がどう違うかを的確に説明できない飼い主さんが多いからです。ライフログがあれば、可視化されたデータが飼い主さんと獣医師の「共通言語」となり、愛犬の体調の変化を獣医師に的確に教えてくれます。
ライフログは簡単なメモだけでもいいのですが、「毎日記録するのは面倒…」、という方には、私は富士通から出ている犬用の歩数計「わんダント」をおすすめしています。首につけておくだけで、歩数だけでなく体をブルブルっと震わせる回数や環境温度を自動で記録できますし、食事の回数や内容、排便の有無などもまとめて記録できるので、とても便利です。
例えば毎日散歩で1万歩は歩いていた愛犬が5000歩程度歩いただけで辛そうにしていたら、明らかな体調変化のサイン。腰や足に重大なトラブルが起きている可能性があるのですぐに動物病院を受診してください。その際、わんダントのデータを持参すれば、歩数の変化が可視化できているので、診察資料として非常に役立ちます。
先日も、わんダントを使用しているある犬のデータを見ていると、夜中に何度も体を震わせていることがわかりました。i005photo3私は、「これは体を痒がっているサインだ」と直感、飼い主さんに確認したところ、やはりよく背中をかいていることが判明。皮膚炎になる前に適切な処置をすることができました。

このように病気を未然に防ぐことも、動物病院の大切な役割。「この程度なら受診しなくていいかな」と躊躇せず、もっと積極的に動物病院を活用してください。もちろん診察のコストはかかりますが、病気になってから、または重症化して手術や入院をすることに比べれば、より経済的であるだけでなく何より愛犬のためになるのですから。

<つづく>

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