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医004 : 獣医師に聞く!~熱中症対策、ここがポイント!~

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気温が上がるこれからの季節、注意したいのが愛犬の熱中症対策。たかが熱中症と、あなどることなかれ!熱中症は、ひどい場合には、命にかかわることもある恐ろしい疾患なのです。そこで今回は、獣医師で日本獣医師会理事の細井戸大成先生に、愛犬の熱中症対策について教えていただきました!

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細井戸先生プロフィール
細井戸大成
1955年大阪市生まれ。山口大学農学部獣医学科卒。
現在、日本獣医師会理事のほか、株式会社VR ENGINE代表取締役、日本動物病院福祉協会副会長、大阪市獣医師会副会長、全日本獣医師協同組合副理事長として、ペット医療の高度化を通じてより良いペットライフの実現に向け活躍中。

■そもそも熱中症とは?
熱中症とは、体温の急激な上昇によっておこる不調の総称。ひどい場合には呼吸困難や吐血、血便、血液の凝固が起こり、深刻な後遺症が残ったり、命にかかわることも珍しくありません。 熱中症が起こりやすいのは、気温や湿度が高い場所。ただし犬は人間よりも体温調節が苦手な上、地面からの放射熱の影響を受けやすいので、人間が「快適だ」と感じている場所でも、犬には危険なケースも!必ず犬の目線の高さの温度・湿度もチェックするようにしてください。また、短頭種の犬(パグ、シーズーなど)や、北方原産の犬(シベリアン・ハスキー、サモエドなど)は、特に暑さに弱く、熱中症にかかりやすいので要注意。もちろんシニア犬や子犬、肥満気味の犬などにも十分注意が必要です。

■ポイント①熱中症対策は春先から!
熱中症=夏におきる疾患、と誤解されがちですが、実際には春先に熱中症をおこす犬も少なくありません。最近は温暖化の影響で、4月でも夏日になることがよくあるので、早めの熱中症対策を心がけましょう。 特に、車に犬を載せて出かけることが多い方は、要注意。日本自動車連盟(JAF)の実験によると、4月で外気温が23.3度のときでも、車内温度は48.7度まで上昇。ダッシュボード付近ではなんと最高70.8度まで上がったそうです。

■ポイント②ドライブ中は犬のポジションに注意!
「ドライブ中はエアコンをつけているから大丈夫」という方もいるかもしれませんが、エアコンだけでは熱中対策として万全とは言えません。というのも、車中の温度は場所によってかなり差があるからです。ドライブ中は愛犬をケージに入れて後部座席やラゲッジスペースに置くのがベストですが、そういった場所はエアコンの風が届きにくいことも。ケージ周辺の温度管理に気を配り、必要があればケージの置き場所を変えましょう。

■ポイント③車内での「お留守番」は絶対にNG!
2013年にトヨタドッグサークル(※)が全国主要都市の犬の飼い主1,000人を対象に行った調査によると、「犬と車で出かける」と答えた飼い主のうち45%が、出先での買い物や外食などのために、「犬を車中に残すことがある」と回答しています。しかしこれは愛犬にとって非常に危険な行為。季節や気温にかかわらず、犬だけを車内に残すことはやめましょう。たった30分程度でも、場合によっては、車内温度が20度以上急上昇することも。「ちょっとだけなら…」「日陰なら…」という油断が、悲しい事故につながってしまわないよう、気をつけてください。

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■ポイント④室内でのお留守番時にも熱中症対策を!
また、屋外や車中だけでなく、屋内でお留守番をさせる時も、熱中症対策を忘れずに。特に注意したいのは、気温が低くても湿度が高い日。

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熱中症はとても怖い疾患ですが、飼い主が正しく対処すれば、防止できる可能性が高い疾患でもあります。しかも、その対処法は、「暑い日中は極力外出を控える」「車中に放置しない」「温度・湿度管理を行う」など、愛犬の立場に立ったケアを心がけている飼い主さんなら、当たり前と思われるような内容ばかり。しかし、実はこういった当たり前のケアを確実に行うことこそ、愛犬の健康管理の基本なのです。その上で、疑問や不安があればかかりつけの獣医師に相談して、アドバイスをもらうようにしましょう。熱中症をしっかり予防して、愛犬と楽しい夏の思い出を作ってください!

犬は呼吸によって唾液を蒸散させることによって体温調節を行いますが、湿度が高いと蒸散しにくく、気温が低くても、熱中症を起こす危険があるのです。エアコンの機能をうまく使って、湿度をコントロールしましょう。 また、「息が荒い」「ぐったりしている」など、熱中症が疑われる症状が見られたら、速やかに動物病院に連れて行ってあげて下さい。

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